カタログ請求→来場を促す「メールマガジン」活用術

カタログ請求→来場を促す「メールマガジン」活用術

6月から8月は、多くの住宅会社でWEB反響が伸び悩む。このような時期は、より多くの反響数を狙うことに加え、カタログ請求など来場に至っていないお客様の来場・ランクアップを促す施策にも注力し、来場数の確保にも注力していきたいところです。

今回は数あるランクアップ施策の中から「メールマガジン」を深堀りしてみようと思います。古典的な施策ではありますが、適切な配信を継続することで、低コストで高い集客効果を発揮します。一方「昔から続けているから何となくやっている」状態では、いつまで経っても成果が見込めない施策でもあります。

1.「イベント告知だけ」は典型的な失敗例「お役立ち情報」で家づくり検討層に訴求
メルマガがうまくいかない会社にありがちなのが、メルマガを定期的に配信せず「イベント・キャンペーンの告知しか送らない」パターンです。このようなメルマガは広告宣伝色が強くなり、自社への関心が高いお客様には響くものの、関心がさほど高くないお客様には敬遠される可能性があります。「あの会社は宣伝があるときだけ連絡してくる」というネガティブなイメージにつながるかもしれません。

メルマガは週1~2回の定期配信が基本。内容は「イベントなどの告知」と「お客立ち情報」を交互に配信するのが理想的です。お客立ち情報とは、自社ホームページに掲載している施工事例・コラムやブログ・自社SNSアカウントの人気投稿・自社YouTubeのルームツアー動画など「自社への関心はまだ高くないが、家づくりへの関心が高いお客様」に響くと思われる情報です。これらの情報から1~2点をピックアップしメルマガで紹介すれば、自社の積極的なファンではないお客様の目にも留まる可能性が高まり、かつ、自社へのファン化促進にも貢献するでしょう。

事実、2パターンのメルマガを配信するビルダーの配信実績は、開封率(メルマガの件名をクリックして本文を開いたお客様の割合)・クリック率(メルマガ内のリンクをクリックしたお客様の割合)とも「お客立ち情報」の方が高いです。

2.反響の出やすい曜日・時間帯を狙って、配信イベントの予約獲得は3週間前から
メルマガの配信タイミングも重要です。特に気を配りたいのが、イベント告知メルマガの曜日と時間帯。自社ホームページで反響の多い曜日・時間帯や過去に配信したメルマガの配信日時ごとの実績を確認して、効果が高いと思われるタイミングを狙いましょう。有効なタイミングは地域差があるものの、一般的には週後半の夜間帯であることが多いです。

また、イベント告知の目的を「来場予約の獲得」と考えると、金曜日の夜に翌日の見学会告知を目にする...といった直前の告知は(飛び込み来場は望めるかもしれませんが)事前予約につながる可能性は低いです。イベントの種類や狙いにもよるのですが、一般的な完成見学会であれば3週間前には告知を実施して、予約数の最大化を図りたいところです。

ここまで説明したメルマガの「基本方針」と「配信タイミング」は、いわばメルマガの内容以前の問題でありますが、これらを練り直すだけでも、メルマガの効果は大きく改善する可能性はあります。

3.本文の目的は「ホームページ誘導」最低限のポイント説明で興味喚起
では、毎回のメルマガ内容をよりブラッシュアップする方法に移りたいと思います。
イベント告知・お役立ち情報いづれの場合も、本文における最大の目的は「自社ホームページへのリンクをクリックしてもらう」こと。

例えば完成見学会の告知であれば、見学会の概要(開催日・地域)と見どころをコンパクトに説明し「詳しくはこちらへ」でホームページへのリンクを貼れば十分です。イベントの詳しい情報はメール内の長文で説明するよりもホームページの方が伝わりやすく、そこからの来場予約も期待できます。施工事例を紹介する場合も、メールは事例のタイトルと簡単な紹介だけを記載し「続きはホームページへ」で良いです。

ホームページを訪問していただくきっかになるだけでなく、そこから他の事例を次々と閲覧し、自社のファンになっていただける可能性もあります。メルマガ本文を書く際は最初に「今回はどのページへ誘導するか」を決めてから執筆すると、スムーズに書き進められるでしょう。もちろん、メール内容を魅力的に見せるためには、メルマガの見せ方(レイアウト・文字の大きさ・装飾など)にも細心の注意を払いたいです。言葉つがい・改行・平易な言い回し・誤字脱字の確認といった基本的なメールマナーの徹底も不可欠です。

4.本文以上に成果を左右する「件名」開封につながるキーワード選定を
メールの本文を書き終えたら、最後は「件名」の検討です。件名は、メールを受信したお客様が本文を読むか否かの判断材料となるものであり、その意味では本文以上にメルマガの成果を左右すると言えます。

成果を高める件名のポイントは、大雑把に言えば「お客様が本文を読みたくなる」こと。具体的には、本文の中からお客様の関心につながりやすいキーワード(平屋・家事ラク・住宅ローン金利など)をピックアップし、件名の冒頭や目立つ部分に配置するのが良いでしょう。地域ビルダーの場合、地域名も有力なキーワードとなります。

「〇〇ホーム メールマガジン」のような毎回同じ件名や「来週末にイベントを開催します」のような具体的な内容の見えない件名でメルマガを送り続けているビルダーは、開封率が低迷しがちで、ホームページへの誘導やその先の反響にもつながりません。メルマガ作成の労力を無駄にしないためにも、本文以上の工夫が必要となります。

                
                           ※株式会社 住宅産業研究所「TACT」参照